「建設業許可は必要なのか」
「解体工事業登録だけでは足りないのか」
建物や工作物の解体を事業として行うにあたり、上記のように迷う方は少なくありません。
解体工事業は、建設リサイクル法に基づく「解体工事業登録」と、建設業法に基づく「建設業許可(解体工事業)」という2つの制度が関わる、やや特殊な業種です。
この記事では、解体工事業で建設業許可を取得する必要があるケース、両制度の違い、取得要件、申請の流れまでを行政書士の視点で整理します。
解体工事業の建設業許可とは

建設業許可とは、建設業法に基づき、一定規模以上の建設工事を請け負うために必要となる許可です。
解体工事業は建設業法上の29業種のうち専門工事の一つに位置づけられており、戸建住宅、マンション、ビルなどの建築物や、土地に定着した工作物の解体工事が対象となります。
なお、解体工事業はかつて「とび・土工・コンクリート工事業」の中に含まれていましたが、現在は独立した業種として整理されています。
「とび・土工・コンクリート工事業の許可があれば解体工事もできる」と考えてしまう方もおられますが、現在は解体工事業の許可が別途必要となるため注意が必要です。
また、解体工事を行う場合でも、すべてが「解体工事業」に該当するわけではない点にも注意が必要です。
他の専門工事で建設されたものをそれのみ解体する場合は、元の専門工事に該当する扱いになります。
| 工事内容 | 該当する業種 |
| 戸建住宅、マンション、ビルなどの解体 | 解体工事業 |
| 信号機・電柱の撤去 | 電気工事業 |
| 室内のリフォームに伴う内装解体 | 内装仕上工事業 |
| ダム・トンネルの解体 | 土木一式工事 |
| 高層ビルなど大規模建築物の解体 | 建築一式工事 |
※建設業許可制度の全体像については、「建設業許可申請とは?」の記事もあわせてご覧ください。
建設業許可と解体工事業登録の違い

解体工事業を営むうえで混同されがちなのが、建設業法に基づく「建設業許可」と、建設リサイクル法に基づく「解体工事業登録」の違いです。
両制度は根拠法が異なり、適用される工事の規模も異なります。
| 建設業許可(解体工事業) | 解体工事業登録 | |
| 根拠法 | 建設業法 | 建設リサイクル法 |
| 対象金額 | 請負金額500万円以上 | 500万円未満 |
| 管轄 | 都道府県知事または国土交通大臣 | 都道府県知事 |
| 有効期間 | 5年 | 5年 |
請負金額500万円以上の解体工事を請け負う場合は建設業許可が必要となり、500万円未満であれば解体工事業登録で足ります。
なお、解体工事業の建設業許可を取得すれば、解体工事業登録は不要となります。
注意したいのは、「軽微な工事だから何の手続きもいらない」とはならない点です。
他業種(内装仕上工事業や塗装工事業など)では500万円未満の工事に許可も登録も不要ですが、解体工事業については500万円未満であっても、解体工事業登録または建設業許可のいずれかが必要となります。
解体工事業で建設業許可を取得する時の取得要件

建設業許可を取得するためには、建設業法で定められた要件をすべて満たす必要があります。
ここでは、解体工事業ならではの論点を中心に解説します。
経営業務の管理責任者
建設業の経営に関する一定の経験を持つ者を、常勤役員等として配置することが求められます。
具体的には、「建設業に関し」5年以上の経営経験(法人の役員、個人事業主、支配人など)を有する者が該当します。
ここで誤解されがちなのは、「解体工事業の経営経験」が必要かのように思われがちですが、実際には業種を問わず建設業全般での経営経験で要件を満たせる点です。
たとえば電気工事業の許可を持つ会社で5年以上役員を務めた経験があれば、解体工事業の建設業許可においても経営業務の管理責任者となることができます。
専任技術者(資格・実務経験)
申請する業種について、専門的な知識と経験を持つ技術者を営業所ごとに専任で配置することが必要です。
解体工事業の専任技術者となれる主な資格は以下のとおりです。
- 1級・2級土木施工管理技士(土木)
- 1級・2級建築施工管理技士(建築・躯体)
- 技術士(建設部門等)
- 解体工事施工技士
- 登録基幹技能者(解体工事に関する一定の登録基幹技能者)
なお、土木施工管理技士・建築施工管理技士の合格者のうち、平成27年度以前の合格者については、解体工事に関する1年以上の実務経験または「登録解体工事講習」の受講が追加で求められます。
実務経験のみで要件を満たす場合は、解体工事業に関する10年以上の経験が必要です。
その他の要件
上記のほか、財産的基礎(自己資本500万円以上または500万円以上の資金調達能力)、誠実性、欠格要件に該当しないこと、社会保険への加入なども要件として求められます。これらは解体工事業に限らず建設業許可に共通する要件であるため、本記事では割愛します。
※要件の全体像については、「建設業許可の取得条件とは?」の記事をご覧ください。

申請の手順と取得までの期間

建設業許可の申請から許可取得までは、おおむね3ヶ月〜4ヶ月を要します。
必要書類の準備
書類収集と申請書作成にかかる期間は、おおむね2〜4週間が目安です。
代表的な必要書類は次のとおりです。
- 建設業許可申請書および各種別表
- 登記事項証明書(法人)、住民票(個人)
- 経営業務の管理責任者・専任技術者の経験を証明する書類(役員登記、工事請負契約書、注文書、請求書、確定申告書など)
- 資格者証明書の写し、必要に応じて登録解体工事講習修了証
- 財務諸表または預金残高証明書、社会保険加入を証明する書類
- 欠格要件に関する誓約書、登記されていないことの証明書、身分証明書
官公庁から取得する書類など、必要な書類は多岐に渡るため、書類収集が想定より時間を要するケースが多く見られます。
申請窓口への提出
提出先は、営業所が1つの都道府県内のみの場合は知事許可として当該都道府県の建設業許可窓口、複数の都道府県にまたがる場合は大臣許可として主たる営業所を管轄する地方整備局となります。
申請手数料は、知事許可・新規申請で90,000円(都道府県収入証紙)、大臣許可・新規申請で150,000円(登録免許税)です。
審査から許可が降りるまで
申請受理後、知事許可で標準処理期間30日〜45日程度、大臣許可で90日〜120日程度の審査が行われます。書類補正が入ればその分だけ期間が延びます。許可は5年ごとの更新が必要となるほか、毎年事業年度終了後4ヶ月以内に決算変更届の提出が義務付けられています。
※更新手続きの詳細は、「建設業許可の更新は何年?」の記事で詳しく解説しています。
コネクスタ行政書士事務所に依頼するメリット
ここまでお読みいただき、書類の多さや要件の複雑さ、解体工事業登録との関係整理を踏まえると、本業と並行して進めるのは現実的にハードルが高いとお感じではないでしょうか。
コネクスタ行政書士事務所は、宮城県・仙台市を拠点に、北海道から沖縄まで全国の建設業許可申請に対応しています。建設業許可・産廃業許可・入札参加資格など多様な業種の申請実績があり、解体工事業のように業種判断や講習要件の確認が伴うケースも数多く手がけてきました。
ご依頼いただいた場合は、書類収集・申請書作成・行政庁との事前協議・提出代行まで一括で対応し、許可取得後の更新時期や決算変更届の期限管理まで継続的にサポートします。
まずは無料でお見積りをお出ししますので、お気軽にお問い合わせください。
解体工事業で建設業許可を取得する際のよくある質問
ここからは、解体工事業で建設業許可を取得する際によくある質問について回答していきます。
とび・土工・コンクリート工事業の許可で解体工事はできますか?
現在はできません。
平成28年6月の建設業法改正で解体工事業が独立した業種となり、その後3年間の経過措置も令和元年5月31日で終了しています。
「以前はとび・土工の許可でやっていた」という方は、改めて解体工事業の建設業許可を取得する必要があります。
解体工事業登録だけで500万円以上の解体工事はできますか?
できません。
解体工事業登録は500万円未満の解体工事のみを対象とした制度です。
500万円以上の解体工事を請け負うには、解体工事業の建設業許可が必要です。
建設業許可の取得には時間がかかるので、大型案件の受注予定がある場合は、早めに許可取得の準備を始めることをおすすめします。
解体工事業で建設業許可を取得するには?要件・解体工事業登録との違い・申請の流れを解説
解体工事業で建設業許可が必要となるかどうかは、請負金額500万円が分岐点です。
他業種と異なり、500万円未満であっても解体工事業登録が必要となる点、業種判断のルール(他の専門工事との切り分け)、土木・建築施工管理技士の合格年度による講習要件など、解体工事業ならではの論点が複数あります。
コネクスタ行政書士事務所では、全国対応で解体工事業の建設業許可申請から許可取得後の継続的な届出管理までを一括サポートしています。
「自社の場合、要件を満たせるか」「解体工事業登録から建設業許可に切り替えるべきか」といったご相談から無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。
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